探県記 Vol.101

田中農場

(2017年3月)

TANAKA NOJO

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  • 徳持耕一郎 隊員

  • 木内吾平キャプテン

健全で地力ある土づくりと環境に配慮した農業でエコファーマーに認定される有限会社 田中農場

稲刈りもそろそろ終わりといったイメージのある10月中旬、鳥取県の東南部に位置する八頭郡八頭町の田んぼでは、たたわに実った稲穂が頭を垂れる風景が広がっていました。

「この時期には見ない光景ですね」といぶかしがる徳持隊員に、
「これらの田んぼは、酒米と飼料用です」と解説してくださる田中里志さん。田中農場の代表取締役です。11月上旬頃まで収穫が続くという酒米は、現在、埼玉・京都・兵庫・山口など県外の蔵元にも納められて、上質な日本酒になっているのだそうです。


田中農場は、一般的な農家とは異なり、100ha以上の作付面積を有する有限会社。〝コシヒカリ〟や〝ひとめぼれ〟といったお米づくりを中心に、酒米、各種豆類・野菜などを栽培しながら、〝ネギネージュ(ドレッシング)〟や〝白ねぎぽん酢〟といった加工品も生産。新しい農業ビジネスを展開する全国的にも注目の企業です。


田中農場が30年以上、変わらず続けている最大の特長は、自家製の完熟堆肥を使用した健全で地力ある土づくりと、化学肥料完全不使用および農薬の使用を極限まで控える環境に配慮した農業。
こうした取り組みが認められて、平成21年、「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」に基づいた〝エコファーマー〟に認定されています。

ねぎが苦手なお子さんが「おいしい」といって食べた田中農場の白ねぎをソテーと天ぷらでいただきます!

探県隊一行が案内されたのは、懐かしい土の匂いのする広大な白ねぎ畑。

「ねぎの白い部分は、陽が当たっていないやわらかな部分。上に伸びたところにその都度、土を寄せて大きく育てます。ゴボウのように土の下に伸びると思っていらっしゃる方がいますが、違うんですよ」と教えてくださるのは、栽培主任の谷口さんです。

「寒暖の差が大きい方が、おいしい白ねぎになるんでしょうね。収穫時期はいつ頃ですか?」と木内キャプテン。
「冬に向かって3月から4月まで随時収穫します。特に冬の白ねぎは甘くて柔らかくなりますから、一番いい時期は12月から2月頃。もっと太くて長くなりますよ」と谷口さん。「根っこから葉までが57㎝」という基準があり、白い部分を30㎝につくることが大事なのだということです。
また、白ねぎの青い部分を折ると、ジュレのようなものがありますが、これは一種のバロメーター。多いほど甘いねぎというわけです。


そして、白ねぎをつくった畑で、次の年にお米をつくると、おいしいお米になるのだそう。田中農場では、昔ながらの輪作が行われています。

白ねぎ畑から場所を変えて、室内へ移動。
なんともいい香りがしていて、白ねぎのソテーと天ぷらが用意されていました。


「焼き目がついた方が甘くなります」と田中さん。特製の白ねぎぽん酢で試食です。
「う~ん甘くてやわらかい! 天ぷらはトロッとおいしいね」と徳持隊員。
「僕は焼いた方が好きかな。素材の味をダイレクトに味わえるって贅沢ですね」と木内キャプテン。


田中農場の白ねぎには、独特なくさみも苦味もありません。
それは「今まで、ねぎを食べなかったうちの子が、田中農場さんの白ねぎをおいしいといって食べるんです」というお客さまの声が届くほど。
自然の中で、手間ひまを惜しまず、健全に育てられた作物の味は、実に正直なんだなと思えるエピソードです。

【アクセスについて】
●田中農場へのアクセス/JR因美線郡家駅より車で約10分
●鳥取県八頭郡八頭町下坂442
【WEBサイト】田中農場

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