探県記 Vol.51

森田醤油

(2015年12月)

MORITA SHOUYU

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  • 内山興
    初代キャプテン

 

自分の子供に食べ続けさせたい
木桶で仕込む無添加の国産丸大豆醤油

 

鳥取県と広島県に接する島根県の東南、中国山地を流れる斐伊川のほとりに、昔ながの製法を守り、貴重な木桶で無添加の国産丸大豆醤油を造る、小さなお醤油屋さんがあります。国内産の原料を厳選して使い、麹造りから熟成までを自社の蔵で行う、森田醤油。その頑固なまでの徹底ぶりには、「自分の子供に食べ続けさせたい」との強い思いが貫かれています。
 
森田醤油の創業は明治36年(1903)、となっていますが、歴史はもっと古いのだそう。その昔、町全体が大火に遭って蔵も記録も焼失。現在、わかっているのが明治36年からのものなので、この年を創業年といっています。
 
当主は、明治36年から数えて4代目の森田郁史さん。寒仕込みに、国産原料と無添加にこだわり、「一生食べても安全な」商品づくりを信条としています。

 

奥出雲の小さな蔵から食の未来を考える
日本食に欠かせないお醤油・ポン酢・お味噌まで

 
「冬場に仕込む意味があるんですか?」とキャプテンが訊きます。
「気温が10℃以上になると乳酸菌や酵母菌の働きが活発になりすぎて発酵が過ぎてしまいます。ですから、乳酸発酵に最も適した10℃以下の気温で、空気中に雑菌が最も少ない冬が、最も仕込みに適しています」と話してくださったのは、4代目のご子息、5代目見習いの浩平さん、弱冠24歳です。

 
冬はきちんと寒く、夏はしっかり暑い。そして、昼夜の寒暖差が大きい奥出雲地方は、水に恵まれ、気候に恵まれた場所。この自然環境が、お醤油の仕込みに最適というわけです。
 
森田醤油の蔵には、全国的にも貴重になった木桶が数十個。古いものでは150年ものの木桶もあります。どこかで廃業する蔵があると聞けば、木桶を譲り受けに行くこともあるのだそう。
「桶屋さんは日本にもう1カ所しかありません。いつかは自分たちの手で木桶を造るときが来るかも」と浩平さん。中学生の頃から「将来は無添加の食品を製造したい」と考えて、東京農大を卒業。食品を扱う企業に勤めた後、4代目に学ぼうと蔵に戻った逸材です。
 
親子2代で、昔ながらの蔵を守りながら、子供たちの未来を考える森田醤油。自然の旨味がぎゅっと搾られたお醤油は、まろやかで香り高くて、料理の味を何倍にも引き立ててくれる豊かな味わいでした。

 

 
【アクセスについて】
●森田醤油へのアクセス/JR木次線出雲三成駅から徒歩で約10分
●島根県仁多郡奥出雲三成278

【WEBサイト】森田醤油
 
 

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