探県記 Vol.65

日本きのこセンター

(2016年3月)

NIHON-KINOKO CENTER

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  • 内山興
    初代キャプテン

そのサイズ、直径8㎝以上・厚さ3㎝以上・巻き込み1㎝以上 シイタケのキング見参!
その名も鳥取茸王(とっとりたけおう)!

 

『鳥取茸王』という名称の原木シイタケをご存じですか?
肉厚で、香り高く、アワビにたとえられる食感をもち、キノコの王様・ポルチーニ茸にも似ると評される、鳥取県の特産品。またの呼び名を『山アワビ』。
 
直径8㎝以上、厚さ3㎝以上、巻き込み1㎝以上、この大きさをクリアしたものだけが『鳥取茸王 金ラベル』と呼ばれる最高級ブランドに。ちょっと規格が小さいものは『銀ラベル』となっています。ちなみに、テニスボールの直径が約6.7㎝ですから、金ラベルの大きさたるや感動ものです。
 
すでに鳥取県では、現『日本きのこセンター』の前身となる『全国椎茸普及会』が昭和22年(1947)に設立されていて、70年前から国内屈指の『きのこ王国』だったというわけです。
 
そして、日本きのこセンター菌蕈(きんじん)研究所で、1980年代に開発された県産原木シイタケの品種が『菌興115号』、その最高級ブランドとして鳥取茸王が誕生したという流れ。
 
しかし、その生産は難しく、市場から姿を消した時期があったといいますが、生産者に販売団体、JAに研究機関、そして行政など関係者が結束して、平成26年(2014)に『鳥取県きのこビジョン』が策定されました。
 
 

 

胞子を出さない“プレミアムエリンギ濃丸”栽培にも成功
“きのこ王国とっとり”の挑戦は続く!

 
手入れの行き届いた健全な森林をつくることが、生産のスタートとなる原木シイタケ栽培。
原木シイタケ栽培は、里山での生活と日本の森林を守り育てることに直結する、まさに「里山再生の切り札」なのです。

 
森林を守るために伐採した原木を2ヶ月ほど乾燥させてから、1mの長さに切りそろえ、桜の花の咲く時期に菌を植え込み。風通しが良くて、程良く陽が当たる杉の林で2年を過ごすと、原木にはシイタケ菌糸が広がって準備が整います。このとき原木は『ほだ木』という名前に変わり、立派なシイタケを育てて行きます。鳥取県では、5年経過したほだ木は粉砕されて、有機農法に役立てられているのだそうです。
 
現在、原木シイタケ栽培を取り巻く実状は、「60代が新入社員で、80代が現役バリバリ」という高齢化社会。今後の課題は、生産者数を増やし、山村を活性化させ、健全な自然環境維持サイクルを取り戻すこと。鳥取県きのこビジョンには、大きな期待が懸けられているのです。
 
日本きのこセンターでは、さらに、無胞子性のエリンギ『プレミアムエリンギ濃丸(こいまる)』の栽培にも成功。胞子を出さないことで、生産者の負担を劇的に軽減し、環境にも優しい栽培を実現しています。
 
携わる全ての人々の努力によって、確実に発展を遂げている鳥取県のきのこ産業。
『きのこ王国とっとり』と周知されるのも、割と近い未来だと思えるのです。

 

【アクセスについて】
●日本きのこセンターへのアクセス/JR鳥取駅から徒歩約7分
●鳥取県鳥取市富安1-84

【WEBサイト】日本きのこセンター
 
 

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