探県記 Vol.77

小豆原埋没林公園

(2016年6月)

AZUKIHARA MAIBOTSURIN KOUEN

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  • 御秒奈々 隊員

  • 内山興
    初代キャプテン

 

世界唯一の埋没林
知らなかったらちょっと損するかも。


標高1126mの三瓶山の北麓で、昭和58年(1983)、水田の整備工事中、地中に直立する巨木が出現。その太い幹は、いくら掘っても地中深く続いたのだそうです。
けれど、工事が終わると、上を3mほど切って埋め戻されてしまい、誰からも忘れられた存在になっていました。
 
平成2年(1990)、地元の火山研究者、松井整司さんの目に、工事のときに撮影してあった、あの巨木の写真がとまりました。「これは三瓶山火山の歴史を語る貴重な存在に違いない!」こうして発掘調査が始まったのです
 
8年後、ついに水田の下からあの巨木が再び出現。さらに周囲を掘り広げると次々に巨木が現れて、地中に森が存在することが判明しました。世界でも例を見ないこの巨大な地中の森は『三瓶小豆原埋没林(さんべあずきはらまいぼつりん)』と命名されました。
 
三瓶小豆原埋没林が〝世界に例を見ない〟その理由は、巨木が倒れず、大地に根を下ろした立木のままの姿で存在していることです。ほとんどの埋没林は、火砕流や土石流の非常に大きなエネルギーによって破壊されてしまう倒木群というもの。三瓶小豆原埋没林のように、火砕流や土石流の堆積物の中に埋積しているにもかかわらず、立木の姿で残っていることが異例中の異例なのです。
 

地中へ降りる階段はタイムトンネル
4000年前の原始の森に迷い込んでみる。

緑の芝生の上にポッカリと口を開けて、小豆原埋没林公園〝縄文の森展示棟〟の入り口があります。
階段を下り、スロープを下ると、そこは、薄暗くてヒンヤリとした地底。約4000年前、三瓶山の最後の噴火で埋もれ、奇跡的な偶然がいくつも重なって、立木の姿のまま残された、縄文時代の巨木の森。地下13m・直径30mの地下展示棟には、3本のスギと、4本の広葉樹が、発掘されたままの姿で残されています。

「最も大きなものは根回り約10m、樹高は現在12m残されていますが、生きていたときは約50mと推定されています。さらに根元には、落ち葉や昆虫なども荒らされずに残っていました。このことも、とても希少だといわれる理由です」と職員の大野志津香さん。
 

「とても4000年前のものとは思えませんね。樹皮なんか生きているよう!」と興奮ぎみの内山キャプテン。
 
地底の森を発掘したままの姿で公開する『小豆原埋没林公園』がオープンして、すでに10年を超えていたことにびっくり。こんな凄い場所を今までしらなかったことを残念に思うと同時に、もっと大勢に知ってもらい、訪れてもらいたいと心から思った体験でした。

 
【アクセスについて】
●小豆原埋没林公園へのアクセス/JR大田市駅より車で約20分
●島根県大田市三瓶町多根ロ58-2

【WEBサイト】三瓶小豆原埋没林
 
 

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