Vol.92

小泉八雲記念館

(2016年11月)

KOIZUMI YAKUMO KINENKAN

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  • 小泉凡 隊員

  • 谷夏海 隊員

  • 木内吾平キャプテン

城下町松江に2016年リニューアルオープン
小泉八雲の〝開かれた精神(オープン・マインド)〟を発信するミュージアム

 

松江城の内堀と平行するように武家屋敷が並ぶ「塩見縄手」。城下町松江の中で最も往時の面影を残すこの通りに、かつて小泉八雲が暮らした旧居があります。そして隣接するのが、今回ご紹介する小泉八雲記念館。当初の開館から82年後の2016年7月にリニューアルオープンした、とても美しいミュージアムです。
 

小泉八雲は、もとの名前をラフカディオ・ハーン。ギリシャで生まれ、アメリカで新聞記者をしていたこともある作家であり民俗学者です。来日したのは1890年(明治23)、8月には英語教師として松江に赴任し、士族の娘・小泉セツと結婚し帰化。『耳なし芳一』や『雪女』などの怪談で知られる一方、『知られぬ日本の面影』は美しい日本の人々と風物を印象的に描いた代表作です。
 
それでは、贅沢にも、小泉八雲のひ孫で当館の館長でもある小泉凡隊員をガイド役にスタートです。
 
まずはエントランスで、八雲の生涯を紹介するビデオを鑑賞。それは約6分半ほどの上映時間ですが、実に興味深く良く出来た必見の映像。
「八雲の〝OPEN MIND (開かれた精神)〟を発信しようというコンセプトを映像にしています。映像に出てくる八雲のシルエットや手元ですが、実は僕なんですよ」と小泉隊員。さすが、ひ孫さん。映像の中の八雲は、写真や肖像画などで私たちが知っている八雲そのもののようでした。
 

八雲の生涯をたどりながら世界に目を向ける
そして、やっぱり怪談は外せない

 

映像展示コーナーからミュージアムショップを右手に見て、展示室1へ入ります。
八雲の生涯を紹介するコーナーでは、八雲の私物が出迎えてくれました。
 
「ハットにシャツにボストンバッグ、本当におしゃれだったことがよくわかりますね」と谷夏海隊員。女性ならではの視点です。
 

足を進めて、たくさんのスナップ写真の展示に興味がわいた木内キャプテン。
「ジャーナリストとしてというより、趣味で撮ったような写真ですね。人々の表情がおもしろい」
「確かにそうですね。世界各地で様々な人種の人々を撮影しています。これらの写真は、鳩サブレの缶の中から出てきたんですよ」と小泉隊員。
 

「でも、なぜ、ここ松江だったんでしょう」と、さらに木内キャプテン。
「最初は大分県に赴任するはずだったんですが、たまたま島根県尋常中学校に空きができてしまって松江に来ました。ニューヨークで『古事記』を読み、「出雲」という言葉もすでに知っていましたから、願ってもないことだったと思います」と小泉隊員。
 

展示室2には、山陰に伝承される怪談5話を、朗読と音楽で鑑賞できるブースが設置してあります。朗読を俳優の佐野史郎さんが、音楽をギタリストの山本恭司さんが担当。おふたりとも松江市の出身です。
 

 

そのほか、展示室3では企画展示が行われ、2階にはライブラリーが常設されています。
私物や書籍・写真や再現を巧みに駆使して、国や人種などの隔たりや偏見をなくし、異文化に心を開くようにと発信する八雲の〝OPEN MIND (開かれた精神)〟が、観る人の心に静かに染み渡るようなミュージアム。旧居とあわせて、ぜひ体感していただきたい場所です。
 

 
【アクセスについて】
●小泉八雲記念館へのアクセス/JR松江駅から「ぐるっと松江レイクラインバス」で約16分「小泉八雲記念館前」下車
●島根県松江市奥谷町322

【WEBサイト】小泉八雲記念館