Vol.99

らっきょう畑

(2017年2月)

RAKKYO BATAKE

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  • 徳持耕一郎 隊員

  • 木内吾平キャプテン

10月下旬、なだらかな砂丘を
薄紫色に染める砂丘らっきょうの花畑は必見

 
日本海を見晴らすなだらかな福部砂丘は、鳥取砂丘の一部であり、鳥取の特産品である「砂丘らっきょう」の栽培地。春には、収穫前の深緑色した葉が広大な畑を彩ります。10月下旬には、薄紫色の小さな花が無数に咲き揃い、ラベンダー畑のような美しい風景を見せてくれます。
 

鳥取に、らっきょうが伝来したのは江戸時代、参勤交代の付け人が持ち帰ったという説がありますが、本格的に栽培が行われるようになったのは、大正3年の頃。濱本四方蔵(はまもとよもぞう)というひとが、石川県の砂丘地で行われていたらっきょう栽培を見て「地元鳥取の砂丘地において有望な作物になるだろう!」と考え、らっきょうの種球を導入したことに始まると伝えられます。
 

薄紫色の花の季節にはまだ少し早い砂丘らっきょう畑でお会いしたのは、生産者の香川恵さん。福部らっきょう生産組合の会長さんです。
 

「千代川から東の砂丘地は保水力がなく、作物が育たない土地でしたから、らっきょう栽培が軌道に乗るまで試行錯誤の連続でした」と香川さん。
 
さらに砂丘地は、通常の畑とは違って一般的な農機具を使用することが難しく、作業のほとんどが人の力による手作業です。
ことに植え付けの時期は、7月下旬から8月いっぱいという真夏の炎天下。地表温度が最高65度にもなるという環境で、細い苗を1玉1玉手植えする作業の大変さは想像に難くありません。
 

保水力・保肥力に乏しい過酷な土壌だから
真っ白で身締まりの良い一粒に育ちます

 

砂丘らっきょうの収穫は、日本海から吹きつける冬の風雪に耐え、春を過ごした5月から6月の頃。
過酷な自然にたくましく育てられた砂丘らっきょうは、他所のらっきょうと比べて色白なのが特徴なのだそう。
 
砂丘らっきょうの畑は、強い空っ風が吹くうえ、70mともいわれる砂の層で、保水力・保肥力に乏しい土壌。この厳しい環境こそが、繊維を細かく身の締まりを良くしてくれて、シャキシャキとした食感の砂丘らっきょうに育つというわけです。
 

「鳥取県のらっきょう生産量は全国的にどのくらいなんでしょう」と木内キャプテン。
「近年は、鹿児島県に次いで全国2位の生産量です」と香川さん。
 

環境が厳しければ厳しいほど、作業が大変であれば大変なほど、上等な身に育つ砂丘らっきょう。
栽培が本格化してすでに100年、生産者のみなさんの思いと誇りが鳥取の特産品にまで育てあげています。
 

【アクセスについて】
●鳥取県鳥取市福部町

【WEBサイト】JA鳥取いなば