#2

Vol.02

鳥取のいいところって
なんだろう

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  • 植田英樹 隊員

  • 木谷清人 隊員

  • 小谷寛 隊員

  • 柴野寛子 隊員

  • 藤川昭夫 隊員

  • 内山興
    初代キャプテン


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第2回座談会は、鳥取編です!

内山: 今回は、国指定重要文化財である仁風閣に集まっていただきました。「鳥取のいいものってなんだろう」をテーマに、和やかに進めていきたいと思います。私は神戸の出身で、37歳のときJR松江駅の駅長として着任。山陰に住んで4年近くなりますが、いまだに観光地に長期滞在している気分が消えないという感じです。
内山興
小谷: 私は、物産協会の会長を務めております。鳥取には本当においしい酒があるんですよ。ところが、それを誰も知らない。マンガ「夏子の酒」に登場する醸造家・上田久のモデルは、鳥取県出身の上原浩先生。鳥取は、水が良い、米が良い、しかも全国に誇る技術がある。良い酒ができないはずがない。それをみんなが知らなきゃいけないと思っています。

植田: 鳥取に戻ってきて15年が経ちますが、鳥取の良さというのは、日常的に我々が食べているものが「あまりにもおいし過ぎる」というところにあると思います。たとえば白イカは「とろける・弾力性がある」という、イカのおいしい要素を全部持っているんですね。鳥取の食は、総じて非常にリーズナブル。「この値段で、この量が」といったものがたくさんある。鳥取には、まだまだ皆さんが発見できていない「未知との遭遇」があると思っています。

藤川: 実を言いますと、私は60歳を過ぎてはじめて東京以外に住んだのが鳥取です。最初は寂しい所だなとは思いましたけれど、食材に恵まれていて、住みやすい所で、なにより住んでる方々は人情細やかで、奥ゆかしいですね。仕事をするうえではもう少し活発にスピードアップしたらいいんじゃないかなと思うことも、度々ありましたけれどね。

柴野寛子
柴野: 私は5年前に、家業の旅館を継ぐために東京から戻り、ただいま若女将修行中。館内のおもてなしをメインに、SNSも使って情報発信にも力を入れています。鳥取のいいところは、やはり「食と自然」が一番の魅力だと思います。7年間地元を離れてみて気がつきましたが、大山どりだったり、おいしい魚介類というのは、東京では本当に高価でなかなか手を出しにくい。でも当地では手頃な価格で、鮮度が良いままいただくことができる。鳥取って、すごい所だったんだなと感じます。

木谷: 今日の会場である仁風閣は、私どもの鳥取市文化財団が指定管理をさせていただいています。地域に眠る文化資源、あるいは、歴史的資産を、まず発見して、ブラッシュアップしていくのが私どもの仕事です。大正天皇が皇太子殿下のとき、山陰地方行啓の際の寄宿舎として建てられた仁風閣ですが、以後、時代に翻弄されてボロボロになっていました。それを重要文化財の指定を受けて、現在の姿に修理復元。映画のロケ地にもなり、全国から大勢の方々に来ていただけるまでになっています。鳥取には、まだまだいいものが眠っている。それをまず発見していきたいですね。

不思議な満足感の、その謎に迫る!

内山興 藤川昭夫
内山: 私は関西人なのではっきり申しあげますが、着任以前、鳥取はなんにもないところだと思ってました。けれど、鳥取に1泊なり2泊なりしたときの「この満足感っていったいなんなのか?」と不思議に感じるんですね。探県隊員で、その謎に迫っていきたいと思います。

柴野: 名物にアワビがあり「大きくて軟らかいアワビだね!」と皆さん驚かれます。北陸でもアワビを出されるんですが「同じはずなのに、なんか違うね」ともおっしゃいます。県中部の御来屋からアワビを取り寄せていますが、良い海藻を食べているので、良いアワビが育つ。そして、良い海藻が育つのは大山のお陰だということです。

植田英樹
植田: 大山は火山灰の土壌・黒ぼくですし、大山の伏流水が流れている関係もあり、川も含めた沿岸の、近海物の魚介類はおいしいと聞きますね。そして鳥取には、塩サバの文化があると思っています。鳥取の塩サバは、一尾一尾、手で塩をふって、しかも冷凍せず、いわゆるチルドで出荷します。これは手間がかかるうえ日持ちがしない。それゆえに、非常に身のふっくら感があります。

内山: エビとカニもありますね。特にモサエビは、エビの中で一番旨いとか。そして、松葉ガニに加えてベニズワイガニがある。モサエビとベニズワイガニとサバに共通するのは、鮮度ですよね。足が早くて、すぐ傷んでしまう。そうなると、ここでしか食べられないから、他所の人は誰も知らない。ちょっともったいない話ですよね。
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藤川: モサエビは、私も鳥取に来てはじめて知って食べましたけど、確かにおいしいですね。 それと、やはり松葉ガニ。近県の同業者と持ち回りで会議をしていますが、「日本海テレビさんの幹事は、11月から3月の時期」と決まっています。皆さん鳥取は松葉ガニがおいしいと知っているんですよ。

内山: なんだかこれで、ほぼフルコースのメニューが揃ったようで。あとはデザートくらいかな。

植田: 県東部エリアでいいますと、花御所という柿がありますよ。甘みのみならず、最後までずーっとおいしくて、余韻も楽しめる柿です。柿というと日本本来のデザート。日本の食の原点が、鳥取の食文化にはあるような気がしますね。

内山: たとえば、大栄スイカも有名ですよ。こうやって喋っていくとラインアップがすぐ揃ってしまう。なるほど、日常そのものにおいしいものが入り込みすぎているんですね。

藤川: そう、だから「○○○の鳥取県!」とは決めにくいんですよ。

身近な自然が、特別な自然!

内山: 鳥取砂丘などの代表なものの他に、「これ!」というおすすめの自然はありませんか。

木谷: たとえばね、鳥取には大きな汽水湖があります。東郷池と湖山池です。日本で池と付く中では、湖山池が一番面積が広いんです。そういった呼称も、これからは観光資源になるのではと思っています。
木谷清人

植田: 山陰海岸ジオパークに注目が高まっていますね。海の透明度が高いのは当たり前だと思っていましたが、県外の人を連れて行くと驚きますね。海底まで見えるというのは珍しいらしいんです。それが、歩いていてすぐ下に見えるんですからね。

柴野: やっぱり大山は、見る方角によって表情が違っていて、とても魅力的な山です。人によって見るベストポイントもありますね。季節ごとに色んな魅力がありますから。今の季節、雪の大山もいいですし、春の深緑も、秋の紅葉も本当に美しい。

内山: 自然の中で感激したのは、智頭杉なんです。探県隊活動で智頭を訪ねたとき、インターを下りた瞬間、わっと広がる杉の整然とした並びが目に飛びこんできた。これは感激しましたね。50年杉、60年杉は他所にもありますが、智頭の70年杉は他にはないですよね。

木谷: 山陰の杉は密度が高いから、価値が高い。寒さ厳しい山陰では年輪が緻密になり、堅い杉が育ちます。しかも手入れが丁寧にしてある山ですから、本当に良い杉が育つんです。重要文化財の石谷家住宅で、お部屋に使われている智頭杉を見ることができます。

文化とか、気質とか、鳥取に根づくもの!

小谷寛
小谷: 物産展などに出展して販売するわけですが、鳥取の人は非常に控えめなんですね。おとなしいというか。他府県の方は積極的で、ものすごい差を感じます。ある意味で残念なことであり、ある意味で信用できるというか、人柄がいいなという印象を与えているのも確かですね。私は、かつて私の弟が鹿児島大学に勤務していたんですが、鳥取だったら「なんにもいいものありません」というのが普通なのに、鹿児島は「こんなにたくさんいいものがある」という自慢で始まるんです。鳥取も少し鹿児島を混ぜたらいいかもしれませんね。

柴野: お客様からも同じように「こんなにいいものがいっぱいあって、いい所がたくさんあるのに、もったいないわね」とよく言われます。

藤川: 鳥取を発信する方法として、あれもこれもと網羅する方法と、一点を集中的に売り出す方法があって、どちらが良いとも言えないと思います。ただ言えるのは、今の鳥取の場合はちょっと中途半端なんじゃないかな。受け取る方は、すぐにイメージできるものと、できないものがある。それを、知らないものについてはもっと深くしぼっていく。そういうことを、ひとつひとつ考えてやらなきゃいけないのかなと思います。
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植田: 鳥取は「そんなことまでやらんでいいけん」というところ。ですから、われわれ探県隊員が楽しんで自慢しながら発信すべきだと思います。ある意味、人口が少ないということは、鳥取県民・島根県民になる確立が一番低いわけですから、選ばれし人間だと思ってどんどんやっていったらいい。

内山: 今日の会場である仁風閣や、山陰が発祥という民芸など、鳥取の文化も興味深いですよね。

木谷: 仁風閣は、明治40年に完成しました。設計は片山東熊という宮廷建築家で、赤坂離宮の設計者でもあります。東熊は宮廷以外の建築はほとんどやっていなくて、地方に建てることも非常にまれ。仁風閣は「地方に唯一」と言ってもいいくらい珍しい建物。それほどレベルの高い西洋建築が鳥取にあるというわけです。そして、民芸ですが、昭和6年に鳥取に帰ってきた医師である吉田璋也が、鳥取の手仕事の美しさを発見。日常生活の中に、かつての日本の用の美をアレンジして、現代の生活の中で使っていこうという運動が、新しい民芸という考え方でした。それを日本で最初に組織的に始めたのが鳥取と島根だったというわけなんです。

山陰いいもの探県隊!これから、どうする?

内山: 探県隊員として、どうしていくべきか。情報発信はかなり重要な任務です。どんなアクションをおこしたいか、考えがあれば聞かせてください。

植田: 食で地域おこしをやっていますが、そのおもしろいところは、味の優劣ということより、食べ方だったり、なぜこれが生まれたかというバックグラウンドが大事だと思っています。鳥取を自慢したいと思っている人間として、鳥取の食はこれがいいですよと言うだけではなくて、食べ方を積極的に伝えていきたい、自慢していきたいと考えています。たとえば、白イカは、ワサビ醤油ではなく、ショウガ醤油ですよとか。そういった鳥取の食べ方というライブ感を伝える活動をどんどん行っていきたいと思っています。
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木谷: 都会の人が鳥取に来ますとね「四季が良い」と言うんですね。4つの季節がきちんとある。季節ごとに食材もそれぞれ違ったものがある。「鳥取には春夏秋冬、年に4回来てください」と言えるくらいに様々なメニューが用意できます。そういった時間軸を含めて、われわれ探県隊で、様々なブラッシュアップと組み立てができていければ良いと思っています。

藤川: この緑の帽子をかぶって町を歩いたとき、「アッあれは探県隊だ!」と多くの人が早く気づいてくれるようにしたいですね。

小谷: 「ひとり1情報運動」というのは大事だと思いますね。ひとりが1つの情報を毎日県外に発信すると、山陰130万の情報が発信されるわけです。今は、SNSという便利なツールがあるので、これを使って情報を発信していく。これを2017年春運行の寝台列車と結びつけて考えていきたいと思います。

柴野: 私たち探県隊員には帽子と腕章があるわけですが、寝台列車を利用されたお客様に、なにかしら、ワッペンとか、グッズを差しあげたらどうでしょう。思わず「乗っています!」と写真を撮りたくなるよう仕掛け作りをしていけたら、どんどん拡散されて、山陰の魅力が広まるんじゃないかなと思います。

内山: みなさん、これからも探県隊の活動にご協力をよろしくお願いします。今日はどうも、ありがとうございました。
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