星や宇宙の話題は、「遠い世界のことで、自分には関係ない」と思われる方が多いと思います。しかし、宇宙のことを知ると、逆に自分や身近なことが良く見えてきます。
 身のまわりに当たり前にある”空気“。しかし、広い宇宙に空気はありません。空気が吸えないと、私たちの命はたった3分で危険な状態になります。
 そして”水“。水と言えば、ちゃぽちゃぽした液体の水を思い浮かべますが、宇宙にある水は氷か水蒸気で、液体の水はとても珍しいのです。そんな珍しい液体の水が、地球の表面の7割を覆っています。こんな変わった星は、広い宇宙の中で今のところ他に見つかっていません。
 さらに、夏は暑くて冬は寒いですが、地球を飛び出せば、日なたは100度、日かげはマイナス100度で、とても生きていけません。
 このように、当たり前だと思っていることを宇宙にまで広げると、ぜんぜん当たり前でないことがわかります。身のまわりの事だけを見ていると気づきませんが、私たちは宇宙の中の楽園のようなところに暮らしているのです。
 このような気づきが、宇宙のことを学んで知る意味だと思います。皆さんも星空を見上げ、宇宙を知り、身近なことを考えてみてくださいね。

special presenter

島根県松江市出身
1994年より、鳥取市さじアストロパーク職員。「宇宙を知ることは自分を知ること」をモットーに、教育活動をおこなっている。観測では、4つの彗星の世界初検出に成功しており、小惑星7489は「Oribe」と命名されている。