大山山頂からの360度パノラマは誰もが認める西日本を代表する大展望だ。その風景の中でも弓ヶ浜半島の描く曲線は一際美しい。
大山の麓から島根半島に向けて、美保の海に架かる砂の大天橋である。
橋の先端・境港から島根半島東端の美保関・地蔵埼までの海岸線をつなぐと真半円を描いたように見える。まさに神が創り出した造形美だ。
この造形・弓ヶ浜半島の成り立ちは本文で紹介された通り大変特異である。そして、この半島で人々は驚くような歴史を刻んできた。砂と闘い、共生し、大きな恵みをいただいた。
日本有数の綿の生産地になったのは一例だ。そんな先人の足跡の一端でも知ることができれば、地域の未来が見えてくるに違いない。
山陰いいもの探県隊 隊員
(公財)とっとりコンベンションビューロー理事長
鳥取県米子市在住。
大山が見えるエリアはひとつの文化圏として大山王国と名付け、圏域のファンづくりの事業を長く取り組んできた。近年は、たたら製鉄が盛んに行われた伯耆(日野川水系)、出雲(斐伊川水系など)の『たたら文化圏』をテーマに地域の魅力の深掘りに取り組む。