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2025.02.07

市街地の一角に佇む洒落た和風の店内に日本茶の新しい世界が広がっていました。

  • 鳥取県
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  • 飲料/お酒

鳥取米子市[静香園]

鳥取県の西の玄関口、道路・鉄道・空港と複数の交通手段がつながるハブ的な役割を担うエリアとして栄える米子市は、古くから山陰の商都と呼ばれる地域。そんな市街地の一角、100円均一ショップや人気ファストフード店をはじめとする飲食店に、家電量販店やファミリー型総合ディスカウントストアなどが集まる賑やかなエリアに、そこだけぽっかりと、ゆっくりとした時間が流れているようなスポットがあります。

そのお店は、市街地のオアシスのように、あるいは、居心地のいい隠れ家のように、ひっそりと佇む「静香園」さん。この場所で半世紀以上にわたり、おいしいお茶の製造・販売を行なうお茶屋さんです。目印は、店舗の軒先に掛かる濃茶色したのれんと、足元にさり気なくある竹で組まれた透かし垣。それでは、のれんをくぐり、茶葉の良き香りする店内へお邪魔しましょう。

落ち着く店内は和のオアシスみたいな寛ぎの空間

店内で最も印象的なのは、赤い野点傘をイメージした天井のデザインと、その下に設けられた半円型のカウンターテーブル。和と洋が居心地良くミックスされたカフェ空間では、目の前で披露されるお点前を見て過ごせる優雅な時間が用意されています。さらに、小上がりの茶室コーナーとテーブル席があり、傍には季節の花が生けられていて、なんとも粋な仕掛け。窓の外に目をやると京の町家のような坪庭が整えられて、外観からでは想像できなかった趣を味わうことができます。

「風情ある袖垣はお得意さまがつくってくださいましたし、季節の花を持ってきてくださる方もいらっしゃって。本当にお客さまに恵まれています」。こうした相思相愛の関係が、この場所で半世紀以上続く所以なのでしょう。


店内の商品コーナーには、各地の日本茶・紅茶・健康茶や素敵な茶器・茶道具から、懐かしくて新しいお菓子なども楽しくディスプレイされて、自宅用にはもちろん、折に触れて選びたいプチギフトにも役立ちそうな品揃えです。

「少し堅苦しいイメージのあるお茶を、敷居を低くして、みなさまに楽しんでいただきたい!」そんな切なる思いが込められた店内なのです。

半世紀を超える始まりのストーリー

地元にしっかりと根付き愛されている静香園さんの創業は、1969年(昭和44年)のこと。脱サラをした若き創業者夫妻が、「お茶をこの地に広めたい!」とひらめいたことに始まります。
ふたりは早速「お茶を商売にするなら静岡へ!」と何の迷いもなく行動に移し、日本一のお茶集積地である静岡でも100年超えの歴史をもつ製茶問屋「前田金三郎商店」さんの元へ向かい、学びを乞うために門戸を叩いたのだそう。その後は、全国各地で飛び込みの営業をかけて顧客を獲得。
現在、仙台、広島、九州エリアなど県外にも多くのお得さまがいらっしゃるとのこと。お茶に対するひたむきで誠実で、なおかつバイタリティ溢れる仕事ぶりが容易に想像できるストーリーです。

ちなみに「静香園」という社名は、お茶といえば静岡! お茶といえば香り! ゆえにこの名前が生まれたのだそうです。

「角切こんぶ茶」の専門店とも言われる静香園さん

静香園さんには、創業当初からの看板商品「角切こんぶ茶」があります。その高い品質で「角切こんぶ茶専門店」と評されるほど。特徴は、北海道・道東産の厳選された上級厚葉こんぶを、秘伝のたれでじっくり煮込んで1枚1枚ていねいに乾燥させてから塩となじませるという、職人の卓越した技で仕上げる手の込んだ商品です。

そして別名を「食べるこんぶ茶」。お湯を注いでお茶を飲み干した後、ふっくらと柔らかくなった肉厚の角切こんぶをいただくのは嬉しい瞬間。粉末では味わえない、ささやかな贅沢があります。姉妹品「梅入こんぶ茶」は、美容と健康に気遣う女性の方を中心に愛飲者が多いのだそうです。

食べくらべて楽しむジェラートのその濃厚さにびっくり!

静香園さんは、2018年(平成30年)からジェラートの製造・販売をスタート。香料を一切入れずつくられているため、本物のお茶の味が際立つ格別なジェラートとなっています。

使用するのは、大山町・井上青輝園さんの有機栽培・低農薬で栽培された良質な茶葉100%。なんとも贅沢なアイスなのです。静香園さんが絶大な信頼を寄せる井上青輝園さんは、ご夫婦で管理されるお茶畑の新芽を摘み取り、ご自宅の工場で製品化。栽培から製造までを行う自園自製のお茶農家さんです。

店内では、[①ほうじ茶と②玄米茶]に[③お抹茶→④お濃茶→⑤特濃プレミアム抹茶]と段階的に味が濃くなっているお抹茶3種を加えた食べくらべセット「禁断の5種盛り」が人気メニュー。

こだわりいっぱいでつくられているその味は、一般的なジェラートよりもミルクの使用量が極力控えられているため、お茶の味が想像の上をいく濃厚さ。お抹茶はもちろんですが、ほうじ茶・玄米茶の濃厚さといったら大袈裟でなく感激します。

「お店の敷居を低くして、みなさまに楽しんでいただきたい!」そんな思いが溢れている居心地のいい静香園さん。今、地元のお得さまはもちろん、若い方、県外の方、海外からのお客さまも、濃茶色したのれんをくぐり笑顔で来店されています。

株式会社 静香園

住所:〒689-0804 鳥取県米子市米原5-7-5
TEL:0859-33-6743

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