探県記 Vol.117

益田メロン

(2017年8月)

MASUDA MELON

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西日本トップクラスの品質と評される益田メロン 肥料は有機、水は清流、交配はミツバチ

 
島根県益田市飯田町、日本一の清流に選ばれる高津川が二股に分かれて中州のようになっている土地に、優に100棟を越えるビニールハウスが整然と並ぶ光景が広がります。
平均気温が暖かく、昼夜の寒暖差が適度にある気象条件が、メロン栽培に適していると、昭和51年(1976)からはじめられた益田のメロン栽培。現在、飯田地区だけでも80戸の生産者さんがメロン栽培を行っています。

 
今回、上田隊員と訪ねたのは、松本貴之さんのアールスメロンハウス。
「糖度を上げるために、今は水を切っているんですよ」と爽やかな笑顔で出迎えてくださいました。

 
それにしても7月上旬のハウス内は、想像通りの猛烈な暑さ!
「ハウス内の湿度は100%。収穫時期には、1ヶ月で体重が3㎏落ちるんですよ」
全長50mの1棟のハウスに育っているメロンは800玉。それを3日で収穫するのだそうです。

 
「1本に1玉しか育てないんですか? なぜ袋がけをするんですか?」と興味津々の上田隊員。
「より大きく、よりおいしいメロンを育てるために、1株に1玉です。他の実は小さいうちに摘み、摘果メロンにします。袋をかけるのは、日焼け防止ですね」と松本さん。
肥料は、益田でメロン栽培がはじめられた当初からずっと有機肥料のボカシを使い、水は高津川の清流を引き、交配はミツバチたちの仕事です。

 

出荷時期は、アムスメロンが6月で
アールスメロンは7月と10月の2度あるって知ってました?

 
美しい網目が果皮全体にあり、高級品といわれているのがアールスメロン。
網目のない縦の筋が数本入り、お手頃価格といわれているのがアムスメロン。
「好みはありますが、僕はアムスメロンの方が好きなんですよね。今夏、TWILIGHT EXPRESS瑞風でデザートにお出ししましたよ」と上田隊員。

 
ちょうど時期がぴったり合って、この日は、アールスメロンの今年最初の収穫日。
「まだちょっと硬いですが、試食してみますか」と松本さんか糖度計で計測すると、糖度17度と申し分ありません。

 
「これ、料理にいけます! 魚介と合わせたらおいしいですよ。魚介のカルパッチョとか」とシェフ魂が騒ぐ上田隊員。その料理、食べてみたいです。

 
「メロンは追熟させて食べるものなんです。1週間ほど常温に置いて、全体に糖が回り、果肉がやわらかくなったら食べ頃。追熟しても糖度が高くなることはありません」なるほど勉強になります。

 
松本さんのメロンハウスでは、6月1日から下旬頃までがアムスメロンの出荷時期。
7月と10月の2度、出荷を迎えるのがアールスメロンです。
「秋のアールスメロンもおいしいんですよ。けれど、地元の人も秋にメロンがあるって知らないくらい」と松本さん。秋は贈り物のシーズンから外れているので、値段が安いのだとか。今秋は、益田のアールスメロンに注目です。

 

【アクセスについて】
●JAしまね西いわみ地区本部営農部飯田選果場へのアクセス/JR益田駅から車で10分
●島根県益田市飯田町532-1
【WEBサイト】JAしまね西いわみ地区本部