探県記 Vol.44

山陰松島遊覧

(2015年10月)

SANINMATSUSHIMAYURAN

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世界に誇る地形・地質遺産を
カモメと一緒に海上からゆったり鑑賞


山陰海岸ジオパークは、世界ジオパークネットワークに加盟認定される、世界的な自然公園。日本列島がアジア大陸の一部だった時代から、今日に至るまでの経過を、貴重な地形・地質遺産を通して確認できる特別な場所です。
 
山陰海岸国立公園を中心として、東は京都・京丹後市の経ヶ岬(きょうがみさき)から、西は鳥取市青谷町までの東西約120㎞、南北最大30㎞の山陰海岸ジオパーク。
そのジオパークエリアの中に、ダイナミックな奇岩・奇景を間近に見ながら、島と暗礁の間を縫うようにめぐる観光クルーズ「浦富海岸 島めぐり遊覧船」があります。
 
遊覧船のりば、網代港。岩美町公認キャラクター“いわみん”のお出迎えで、約40分間のクルージングへと出港です。

なぜか船内で手渡されたのは“かっぱえびせん”。ひとつ、またひとつと空へ放り投げると、間髪を容れずにカモメがキャッチ。遊覧船は、カモメの群と一緒に、湾の外へと進みます。
 
最初に現れたのは、浦富海岸のシンボル的な島のひとつ、千貫松島(せんがんまつしま)。周囲約50m、高さ約10mの島の中央には、奥行き20mの洞門があり、頂上には鳥取藩主ゆかりの立派な松の姿が見えます。
 
次に、白く塗られたような高さ約70mの絶壁は、白粉の断崖(おしろいのだんがい)。この白い色の正体、なんと野生の鵜の糞のあとなんですって。
こうして、大小の島や洞門や奇岩が目の前に現れては過ぎて、感激の連続です。

 

石垣島の海にも負けてない
浦富海岸の海は水深25mの透明度

 

「ここ鴨ヶ磯海岸(かもがいそかいがん)の最高透明度は水深25m。海の底まで見透せます」と船長さんのガイドが船内に響きます。
 
「石垣島の海よりもきれいな海だと言う人がいました。本当にこの透明度はすごいね!」と内山キャプテンも絶賛の海です。
 
日本海の荒波と風雪が、気の遠くなるような歳月をかけて創りあげた芸術的な景観を、海上から鑑賞できる贅沢な島めぐり遊覧船。約40分間の船旅は,太古へのタイムスリップクルーズでもありました。
 

 
【アクセスについて】
●JR岩美駅から鳥取駅行きバスで約15分、島めぐり遊覧船のりば前バス停にて下車
●鳥取県岩美郡岩美町大谷2182
【WEBサイト】山陰松島遊覧株式会社