2015年7月8日、国宝に指定された「松江城」。松江城は「下見板張り」という黒い板で覆われており、狭間や石落としなどがあり実戦を意識したお城です。見る角度によって、石垣の組み方や白黒のコントラストの美しさを楽しむことも出来ます。また、天守は望楼型。最上階は360度松江市内を一望出来るのも魅力的です。この「質実剛健」とも言える構えが特徴の松江城、国宝に指定されるまでには紆余曲折ありました。明治時代、松江城は政府が発令した、「廃城令」により取り壊されそうになりました。しかし出雲市斐川町の豪農、勝部本右衛門・景浜親子らが私財を投じて松江城を買い戻し、取り壊しを回避します。(後に松江市へ寄付)
1935年に「国宝保存法」により国宝に指定されますが、1950年「文化財保護法」制定により国宝から重要文化財となります。それから65年、「祈祷札」の発見により松江城の築城の時期を証明する事ができ、松江城は再び国宝に指定されました。
このような数奇な運命を辿ってきた松江城は、先代の方々のお陰で今もほぼ変わらぬ姿で松江のシンボルとして残っています。今年、松江城は天守国宝指定5周年を迎えました。
今は新型コロナウイルスの影響で厳しい状況ではありますが、一刻も早い収束を願い、全国からたくさんの方々にこの松江城にお越しいただける事を願っています。