雲南地区には5つの蔵元があり、地元の米、水を生かした酒造りに力を注ぐ。それらをより美味しくしてくれるのが地元の食である。 山間地だけに和牛や猪などの肉料理と調和する旨味のある地酒が多いと感じる。 幅があり、余韻があり、キレがある地酒に、ミネラル豊富な湧き水で育った舞茸、季節の山菜もいい。そばの栽培も盛んで、木次線沿線の蕎麦屋は何処も美味である。
出雲は酒の発祥地。酒作りの神様を祀る佐香神社のおひざ元でもある木綿街道には明治から続く酒蔵や醤油の醸造元がありますし、創業三百年の生姜糖の老舗店や造り酒屋をそのまま改修した宿やレストラン、カフェなども軒を連ねます。
また、交通機関が発達していない頃、生魚が届く限界地が木次で、そこから奥出雲へ向けて焼き鯖が流通。今も、姿のまま串焼きにした焼き鯖や、ほぐした焼き鯖の身を混ぜた焼き鯖寿司は名物で、その香ばしさを感じながらの一献はたまらない。いや、一献では終われないな。