今年の松江のトピックは、何といってもホーランエンヤでしょう。大橋川を進む櫂伝馬船上で繰り広げられる10年に1度の一大絵巻は必見です。
 このホーランエンヤの歴史や伝統を紹介するのが「松江ホーランエンヤ伝承館」です。過去の練習風景や本番での勇壮な姿を映像で振り返るほか、櫂伝馬船を出す五地域(五大地)の様子が分かる展示や踊りで使う歌舞伎衣装を着ての写真撮影もできます。ホーランエンヤを見物する前、或いはそのあとでも興味深いものがあります。
 そして、松江観光の最初に立ち寄っていただきたいのが、隣接する「松江歴史館」です。国宝 松江城の近く、その昔は家老屋敷があった場所に長屋門などを復原し、2011年に開館しました。
 本館は純和風の趣ある施設で、江戸時代に使われ、今では珍しくなった逆「へ」の字形の左桟瓦を使用、その数は約6万枚に上り、独特な雰囲気を醸し出しています。基本展示室では、松江開府の祖・堀尾吉晴の時代から京極1代、松平10代にわたる歴史を映像と展示で分かりやすく紹介しており、松江の歴史が詰まっています。
 フリースペースにある喫茶「きはる」では、現代の名工・伊丹二夫さんが目の前で作る季節の創作和菓子と抹茶で一服。日本庭園を眺めながら、旅の疲れも癒される時間が過ごせます。
 さて、ここでクイズです。「きはる」の語源は何でしょうか。ヒントは松江市の花のひとつ「椿」に由来しています。もうお分かりですね。そうです「木」と「春」です。
 ぜひ、両館にお越しいただき、松江観光をより楽しいものにしていただければと思います。

special presenter

山陰いいもの探県隊 隊員
松江歴史館 支配人

島根県松江市出身
昭和50年4月 山陰中央新報社 入社 、平成24年10月(公財)しまね文化振興財団採用、平成25年4月 島根県民会館館長。趣味は映画鑑賞とお酒。山陰の隠れた魅力発信に興味津々。まずは自分が楽しむことから始めます。

オーランエンヤ グッとくる山陰