雲南地区には5つの蔵元があり、地元の米、水を生かした酒造りに力を注ぐ。それらをより美味しくしてくれるのが地元の食である。 山間地だけに和牛や猪などの肉料理と調和する旨味のある地酒が多いと感じる。幅があり、余韻があり、キレがある地酒に、ミネラル豊富な湧き水で育った舞茸、季節の山菜もいい。 そばの栽培も盛んで、木次線沿線の蕎麦屋は何処も美味である。

 また、交通機関が発達していない頃、生魚が届く限界地が木次で、そこから奥出雲へ向けて焼き鯖が流通。 今も、姿のまま串焼きにした焼き鯖や、ほぐした焼き鯖の身を混ぜた焼き鯖寿司は名物で、その香ばしさを感じながらの一献はたまらない。いや、一献では終われないな。

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監修・文 山陰いいもの探県隊 隊員

フリーアナウンサー・きき酒師

島根県松江市出身。
山陰中央テレビアナウンサーを経て、フリーアナウンサーとして司会・ナレーション担当。(古代出雲歴史博物館音声ガイドナレーション他)きき酒師の資格を取得。山陰中央新報で「sun-in酒楽探訪」3年間連載。2013年に「しまね酒楽探訪」、2015年「とっとり酒楽探訪」(今井出版)を出版。日本酒ファンを増やすべく、しまね地酒マイスター検定を企画。その他、イベント企画、講演、研修講師(JR米子掌区放送技能向上研修担当)、ライターとしても活動中。