探県記 Vol.109

たなべのたまご

(2017年5月)

TANABE NO TAMAGO

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たたら製鉄の里で健康に育つニワトリたちは
中国山地の大自然に守られて元気いっぱいです!

 
足元には水田が広がり、見上げれば豊かな森が広がる場所。かつては、たたら製鉄で栄えた大自然の真ん中、雲南市吉田町で、自由にかけ回りのびのび育つニワトリたちがいます。

 
ここは、むかしながらの平飼いにこだわってニワトリたちを大切に育て、安心安全な有精卵「たなべのたまご」を産んでもらう田部養鶏所。鶏舎に向かうなだらかな道で、探県隊を出迎えてくれたのは、ひぇ~っ! アオダイショウでした。
 
四方を美しい自然に囲まれた養鶏場で、ストレスを感じることなく育っているニワトリたち。1区画に6500羽。メス鶏100羽に対して、5羽のオス鶏という比率。99.0%の割合で有精卵を産んでくれるのだそうです。

 
「飼料は、自然の力を活かし、健康で抵抗力の高いニワトリでいられるよう、非遺伝子組換トウモロコシを主体に、地元農家の水耕栽培ネギや、地元の豆腐屋さんから届く栄養たっぷりのおからを、乳酸菌で発酵させています」と説明してくださるのは、(株)田部の堀賢一さんです。
 
サラサラと常に流れているのは、ニワトリたちの飲料水。雨水も入らない地下100m以下にある岩盤の、さらに下からくみ上げている奥出雲の地下水は、自由に飲み放題のかけ流し。
「特に夏場は、卵が水っぽくなるといって飲水制限をするのが普通ですが、うちでは飲み放題。ノドが渇いてストレスを感じるようではいけませんから。田部家は“動物らしく”という考え方なんです」

 

ストレスなく、健康だから、いい卵を産む
シンプルだけど究極な育て方が一番というお手本

 
ヒヨコから育てて、80週になるとおとなの鶏舎へ移動。1羽のニワトリが、1日1個の卵を産んでくれます。

 
せっかくですから、賑やかな鶏舎の中へ。好奇心旺盛なニワトリたちは歓迎ムードです。
「イメージとしてはにおいがキツいのだと思っていましたが、まったくそんなことはないんですね」と、感心する原隊員。
こまめな掃除がモットーの、たなべのたまご。新しい鶏舎には炭が敷き詰められているのだそうです。

 
探県の仕上げは、生卵の試食。どうですか、原シェフ。
「黄身の色も味も、やっぱり濃い。白身は弾力がすごい。全体的に、卵特有のにおいがほとんどないんですね」と驚く原隊員。

 
「白身に弾力があるとおっしゃいましたが本当で、うちの卵は溶くとき、かなり頑張らないと混ざらないんですよ。それに確かに、においが少ないですから、よくスイーツに使われます」と堀さん。

 
味は変わらなくても、たまに出る形のよくない卵は、“ままたまごぷりん”など、直営店「ままたまご」のスイーツにもなっています。
 
健康だから、いい卵を産む。そんなシンプルだけど究極の姿勢で届けてくれる、たなべのたまご。
何かに特化しているのではなく、ただ健康なニワトリたちが産んでくれた、ただ健康なたまごなんです。

 

【アクセスについて】
●田部養鶏場へのアクセス/JR木次線出雲三成駅より車で約37分
●島根県雲南市吉田町吉田4382-54

【WEBサイト】TANABE