探県記 Vol.97
鳥取砂丘
(2017年1月)
TOTTORI SAKYU
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日本一と称される理由は47mの起伏量
鳥取砂丘では「裸足はおすすめしません!」
鳥取県で最も有名な観光地、東西16㎞・南北2㎞、日本海に面した鳥取砂丘。「日本一の砂丘」と称されるその理由は、47mという起伏量です。
砂丘入口の階段を登ってはじめて、その悠大な姿を見せてくれる鳥取砂丘。前方には最高峰の「馬の背」が立ちはだかり、圧倒されます。
「まず最初に、サラサラの砂を実際に感じて、目の前の悠大な砂丘はどこから来たのか想像してみてください。何千年、何万年をかけて、土砂崩れをおこして、千代川を長い間流れながら、中国山地から旅してきた砂が、季節風によってこの場所にたどり着きました」と、山根正司さん。とっとりガイドセンターのガイドさんです。
「昔はもっと〝馬の背〟が高くて、入口から日本海は見えなかったと思うのですが?」と徳持耕一郎隊員。
「何年かぶりにいらっしゃると、そう感じる方がいるようです。〝馬の背〟がというよりも、こちら側が高くなっているようですね。日々、地形が変わるんです」
いよいよ砂丘の中へ!というところで、山根さんから注意事項がありました。
「風で出土した縄文土器が、足の裏に刺さったというケースもあり、何が出てくるかわかりません。もし何かあっても自己責任。私は裸足をおすすめしません」ということです。
鳥取砂丘は24時間無料営業
絶滅危惧種の昆虫も棲んでます!
細かな砂に足を取られながら、山根さんのガイドを聞きながら、一行は進みます。
まずは「ここが撮影スポットです。視界から海が消えますから」との説明。
次に「〝馬の背〟の下、ここが〝オアシス〟です。晩秋から春先には大きな池が現れ、一番深いところは1mにもなります。夜になるとカエルの鳴き声がしますよ」
「夜に入ってもいいんですか?」と木内キャプテンがたずねると──
「鳥取砂丘は24時間無料営業です!」
砂に足を取られながら斜面を登って、やっと〝馬の背〟のてっぺん。眼前には悠々と日本海が広がっています。隣では、頂上から傾斜角度30度の斜面を海岸へと、転げ落ちるようにして下りていく人たちの姿が!とても楽しそうです。
「では、鳥取砂丘の番地を見にいきます」と山根さん。馬の背を少し横にそれて下っていくと、確かに、アルファベットと数字の書かれた杭があります。熱中症になったりして倒れたお客さんを、すぐに見つけられるための……ではなく、鳥取大学の生徒さんが砂の移動を調べるための「調査杭」。100m間隔に119本あるのだそうです。
「ご覧の通り、砂丘の西側は緑が多いのがわかります。生息する昆虫も600種といわれ、絶滅危惧種のカワラハンミョウやイソコモリグモなどを、普通に見ることができるのも鳥取砂丘の特徴です」
入口から海岸まで往復800mの鳥取砂丘は、自然の偉大さと不思議さを実感できる特別な場所。
次は、夕暮れどきを選んで訪れてみましょう。鳥取砂丘から眺める日本海に沈む夕日が、それは素晴らしいのだと聞きました。
【アクセスについて】
●鳥取砂丘へのアクセス/JR鳥取駅より路線バス鳥取砂丘行き「鳥取砂丘」バス停下車すぐ
●鳥取県鳥取市福部町湯山
【WEBサイト】鳥取砂丘