探県記 Vol.38
割烹「美加登家」
(2015年9月)
KAPPOU MIKADOYA
3402
高津川の清流が育む天然アユを、
古き良き昭和の割烹でいただく。
日本一の清流、高津川の流れを間近に感じる津和野町日原の町中に、100年に迫る歴史をまとった瀟洒な日本家があります。かつて旅館だった建物がそのまま、割烹「美加登家」として営業。“渓流の貴婦人”と称する高津川の天然アユが、コースでいただける食事処です。
昭和28年(1953)に建てられたという館内は、古き良き時代を残す“電話室”や、意匠を凝らした欄間や建具などが、とても大切に残されていて、心地よくタイムトリップした気分。
この日の献立は、全部で11品。珍味の“子うるか・苦うるか”に始まって、1匹まるまるの“塩焼き”から“鮎めし”まで、正真正銘のアユ尽くしです。
「高津川で漁協のみなさんが釣った天然アユを、郷土の料理でお出ししています。塩焼きは、頭から召しあがってくださいね」と女将の山根紀江さん。
「この塩焼き、もの凄く上品ですね!」「鮎めしの薫りがたまりません!」などなど、ひと箸ごとに、内山キャプテンの感嘆の声が続きます。
趣向を凝らしたアユ料理の数々
変幻自在なおいしさを堪能。
いかにも珍味な“苦うるか”は、新鮮な天然アユのうるか(腸)を、塩漬けで1年間、じっくり熟成させたもの。その味は、濃くて苦くて。日本酒がすすむこと受け合いです。
続いて、お造りはアユの洗い、御椀は冬瓜といただく鮎清汁仕立て、煮物は生うるかと茄子で、強肴はうるかの味噌揚げ、そして鮎の酢の物など。変幻自在なアユ料理を堪能。
今年の天然鮎コースは、10月下旬まで。風情たっぷりの空間で、洗練されたアユ料理に舌鼓を打つ旅の時間は格別です。
【アクセスについて】
●割烹 美加登家へのアクセス/JR山口線「日原駅」から車で約3分
●島根県鹿足郡津和野町日原221-2
【WEBサイト】割烹「美加登家」