探県記 Vol.25

海士のいわがき

(2015年6月)

AMANOIWAGAKI

2853

 

ひと粒の大きさに驚き
雑味のない本物の味にびっくり。

 
びっくりするほど大粒で、ぷっくり丸々盛りあがっていて、食べるとぷりぷりで、おいしさだけがダイレクトに押し寄せてくる。それは、「海士のいわがき春香(はるか)」を食べた感想です。
  
「海士のいわがき春香」は、海士乃塩と同じく、日本の名水百選のひとつ「天川の水」が流れ込む保々見湾の清浄海域で、3年〜4年の間、じっくり大切に育てられいます。
水揚げ時期は、旨味成分のイノシン酸やグルタミン酸が最も多くなる毎年3月〜5月の間。
 
海から引き揚げられた「春香」は、まず、殻に付着した海藻などが取り除かれます。これは、見栄えというよりも、衛生状態を保つための工程。ひとつひとつ大切に、手作業で行われています。
次に、付着物がなくってきれいになったら、紫外線滅菌流海水で20時間以上かけて内部洗浄。これが「春香」の大きな特徴です。
 
さあ、お待ちかねの試食タイム。
「本当に大きいんですね。今まで食べていた岩がきとは、まるで違います」と御秒さん。
「生臭さも、雑味も、一切ない。これが本当の岩がきの味なんだ」と錦織監督。

 

きれいな海と高度な技術で
天然物を凌駕する。

 
一般的に岩がきは、海水中のプランクトンを食べて栄養にします。なので、プランクトンの多い河川河口付近では身入りが良くなり、反面、細菌などが蓄積するリスクが高くなります。一方、細菌などのリスクが少ない外海ではプランクトンが少なく、身入りが良くないというわけです。

 
そこで、海士の生産者の皆さんは考えました。「この問題を解決すべく方法はないものか」と。
こうして、導き出されたのが「清浄海域の保々見湾」での養殖と、紫外線滅菌流海水による洗浄でした。
その結果は、もちろん大成功!平成14年に本格的に販売が開始されて、今ではすっかり高級ブランド。首都圏の料亭やレストランなどで人気を博しています。
 
「きれいな海を背景に、いかに洗練された技術が導入されているか、現地に来なければわからないこと。天然物が高級のようなイメージがありましたが、今日、それがガラリと変わりました」とキャプテン。
 
うれしいことに海士町内では、細胞組織を壊すことなく、−55℃で凍結させる画期的なシステム「CAS凍結センター」が平成17年より稼動。「海士のいわがき春香」も一年中、フレッシュなおいしさを味わえるようになっています。

 
【アクセスについて】
●隠岐の島 海士町へのアクセス/境港・七類港から隠岐汽船で菱浦港下船
●海士いわがき生産へのアクセス/菱浦港から車で21分
●島根県隠岐郡海士町知々井1003-3