探県記 Vol.87
やすぎどじょう生産組合
(2016年10月)
YASUGI DOJOU SEISANKUMIAI
5818
どじょうすくい踊り発祥の地の
どじょう生産量全国2位に納得
島根県は、どじょうの生産量が全国2位。その内の9割以上を、安来節のふるさと安来市が占めています。安来節には〝どじょうすくい〟というユニークな踊りが付きものですから、全国2位という順位に納得。では、安来市のどじょうは、どうやって育てられているのか、やすぎどじょうセンターを訪ねました。
どじょうの養殖は、休耕田を利用して造成した専用の池で行われていました。平成11年から試験養殖が始まり、同15年から本格養殖に取り組まれています。
「元々は昭和30年頃から行っていましたが、どじょうの養殖は非常に難しく、チャレンジを繰り返して、やっと軌道に乗りました」そう話してくださるのは、やすぎどじょう生産組合の秦拓也さん。
最初の頃は、どじょうが池から逃げ出したり、鳥に食べられてしまったりと、失敗続き。それでも根気よく研究を重ねていった結果、現在、年間の生産量が4tに成るまでになりました。市内以外の出荷先は、〝どじょう蒲焼〟という郷土料理がある石川と、富山・福井の北陸3県なのだそうです。
土用の丑の日には〝どじょう〟を食べよう!
いつか、そんな日が来るかもしれない
やすぎどじょうセンターでは、稚魚を育て、生産者へと引き渡します。そして、生産者が大きく育てたどじょうを選別して、全国へ出荷するという仕組み。どしょうのエサは、やずきどじょうセンターの特製で、魚粉と米ぬかをメインにブレンドしたものです。
「どじょうのオスとメスの見分け方をお教えしましょう」と秦さん。ヒレが丸く、全体的にふっくらと大きいのがメス。おもしろいことに、中には、中性的などじょうもいるのだそうです。
そこで探県隊も、どじょうすくいに挑戦。最初は腰が引けていましたが、徐々に慣れてきて──
「つかもうとはしないで、本当に〝すくう〟んですね」と、早速コツをつかんだ木内キャプテンです。
見て触れて、愛着がわいたところに、おいしそうに揚がった〝どじょうの唐揚げ〟が登場。
「想像以上に、ふっくらしています。本当においしい!」と小幡隊員はじめ、一同高評価です。
なんでも、昔から〝うなぎ一匹、どじょう一匹〟という言葉があって、その栄養価は高く、うなぎに負けないスタミナ食。さらに、脂質量は比べて少なくヘルシーでもあるのだそう。
土用の丑の日にうなぎを食べる〝土用うなぎ〟の習慣は、江戸時代、平賀源内が発案したことに始まったのは有名なお話。今後は、山陰から、〝土用どじょう〟を発信してもいいのではと、思ってしまう探県でした。
【アクセスについて】
●やすぎどじょう生産組合館へのアクセス/JR荒島駅より車で15分
●島根県安来市西松井町112-1
【WEBサイト】やすぎどじょう