探県記 Vol.22
大山Gビール
(2015年5月)
DAISEN G BEER
2730
おいしい水を求めて辿りついた
自然がおいしい大山山麓。
大山のふもと、標高300mの眺めのいい場所に建つ、久米桜酒造は、安政3年(1856)創業の名蔵元です。昭和60年(1985)、米子市内にあった醸造場を、おいしい水を探し求めて、現在の大山山麓に移転したのです。
醸造に使用する水は、「平成の名水百選」にも選ばれた「地蔵滝の泉」と呼ばれる名水で、大山が永い歳月をかけて磨き上げた伏流水です。
この上質な名水に加えて、寒暖差の激しい気候や、澄んだおいしい空気など、名酒造りに最適な環境が揃っているというわけです。
世界に誇るブルワーが造る
世界一の称号を持つGビール。
久米桜酒造大山醸造場の隣、欧風レンガ造りの建物が目を引きます。名称は「ビアホフ・ガンバリウス」。レストランを併設するスタイルで誕生した、大山の豊かな伏流水と麦芽100%で造る、本格クラフトピール「大山Gビール」の醸造所です。
これまで、インターナショナルビアコンペティションの人気投票で1位を獲得し、ワールド・ビア・アワード2011ヴァイツェン部門で1位の栄誉に輝く「ヴァイツェン」を筆頭に、種類は「ピルスナー」、「ペールエール」、「スタウト」と、いずれのビールも受賞歴をもつ、世界が認めたビール工場なのです。
ちょっと面白いものでは、日本酒の地元酒米をブレンドして造る「八郷」や、小麦を使ったワインのようなビール「ウィートワイン」も、アジアNo.1.を獲得しています。
レストラン自慢のソーセージやピッツァ、スペアリブなど、オリジナルフードメニューも豊富で、ビールがすすむこと間違いありません。
大山Gビールでは、数年前から、レストラン前の畑で、ホップ栽培に挑戦中。夏になって背丈5〜6mに育つと収穫、その後、乾燥させて、秋には100%大山産のビールが完成。ファンが待ちに待つ、年1回の販売が行われています。
「ホップ畑を自分たちで育てることで、原料と1年中つき合える。それは、大切な原料を知るとてもいいきっかけになります」と、醸造長の岩田秀樹さん。その真摯な姿勢から生まれるGビールだから、世界が認めるおいしさなのだと納得。そんな世界一のビールを造る岩田醸造長は、日本を代表するブルワー(ビール醸造人)のおひとりなのです。
【アクセスについて】
●JR伯備線岸本駅から車で約10分
●鳥取県西伯郡伯耆町丸山1740番地3